出版社への就職・転職

出版社に新卒採用や転職で就活する人は出版業界の歴史を学べ!元大手の面接官が伝えます

出版社への就職・転職専門家の上原龍一です。

私は新卒で零細出版社にいた後、大手出版社に転職しました。

面接官をしていましたが、応募者に共通して思うところがありました。

みな、応募する出版社についてはある程度は勉強してきますが、「歴史」としては出版社についても、業界についても学んでいないということです。

業界の歴史を知っている必要があるのか? というと、面接で直接そのような質問があるわけではありません。

ただ、出版業界に詳しい応募者は、自信があります。話す内容、文章に重みがあるのです。

出版業界は「村」です。1兆円というマーケットの中で、各出版社が共存しています。その「村」にこれから入ってくる人は、歴史をしらないとスムーズに仲間になれません。

それに、出版業界に限った話ではありませんが、歴史は繰り返します。

「歴史」と書くと大げさですが、本や雑誌の企画をひとつとっても、毎年同じものをやっています。

例えば男性ファッション誌。

は始まりのシーズンで「スーツ」
は「ダイエット」をしたうえでの似合う服
は少し寒くなるので「ジャケット」
は「アウター」

この企画を毎年、流行を取り入れながらまわしています。

もうひとつ例をあげます。

この本は昭和55年(1980)に、太陽企画出版から発売されました。40年以上前です。

本の後ろのページに、本の広告が載っています。

40年前の「やせるヨガ」というタイトルの本ですが、
2016年発売のこの本とまったく同じテーマですよね。

ヨガと「痩せる=ダイエット」をかけ合わせています。

こちらもそうです。竹村健一さんの本です。懐かしいですね。

サラリーマンは自分の会社を持て! という本です。

2018年発売のこの本とまったく同じテーマです。

歴史は繰り返す。

よく言われる言葉ですが、出版業界にも当てはまっています。

では、出版社への新卒での就職や転職を希望している方々に、おすすめの本を紹介していきます。

この9冊を読んでおけば、必要最低限は学べます!

就活対策① 出版業界の歴史

「だれが『本』を殺すのか」佐野眞一

出版業界で働いている40代以上で、読んでいなかったらモグリと言われる本です。

著者の佐野眞一さんは、大宅賞も受賞した日本のノンフィクション界の第一人者。

2001年に発売した本ですが、本が売れずに出版社と書店が倒産する状況を取材したるポタージュです。

信じられないかもしれませんが、出版業界に不況はないと、昭和時代は言われていました。

本が売れない状況を作ったのは誰なのか? 書店、図書館、取次、出版社、著者に取材して解き明かしていきます。その中で、戦後から変わらない出版業界についても書かれています。

必ず読みましょう!

「どすこい出版流通」

著者の田中達治さんは筑摩書房の取締役営業局長。

出版流通のインフラを構築した方です。

出版に関する用語がふんだんにでてきますが、そのひとつひとつに丁寧な解説がついています。

流通の歴史を学びながら、出版用語についても詳しくなれます。

出版社の営業には必須な本ですが、編集志望者で読んでおくと、アドバンテージが得られます。

ちなみに、この本はAmazonのKindle Unlimitedという無料で読める本の対象になっています。

体験登録で、30日間は無料で使えます。

途中で解約してもお金はいっさいかかりません。

つまり、30日以内に解約すれば無料で読むことができます!

すぐに使えるので、試してみましょう!

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「出版社と書店はいかにして消えていくか」

著者の小田光雄さんは、出版業界に関する本の執筆や編集が20冊以上あります。

現在の委託制に基づく近代出版流通システムが明治期からどのように形成され、成長していったのか?

過去の多くの資料を読み解き、その歴史と現在の崩壊過程を克明にたどり、危機の構造を立体化しています。

就活対策② 漫画の歴史

「トキワ荘の時代」

1993年に発売して絶版となっていた本が、2020年になり筑摩書房より文庫化されました。

トキワ荘ミュージアムのオープンに合わせての文庫化でしょう。

出版業界にとって漫画は切り離せませんが、戦後漫画文化のスタートがトキワ荘です。

漫画の神様、テレビアニメの創始者・手塚治虫が「トキワ荘」に住んだことにより、豊島区のアパートが漫画家の梁山泊となります。

「ドラえもん」の藤子・F・不二雄、「プロゴルファー猿」や「まんが道」の藤子不二雄A、「天才バカボン」の赤塚不二夫、「仮面ライダー」の石ノ森章太郎らが住んでいました。

手塚治虫の東京での原点であり、手塚治虫に憧れて漫画家になったトキワ荘メンバーらがどのような道を歩んでいったのかが、わかる本です。

漫画の編集を希望していなくても、出版史として知っておいてください。

「劇画漂流」辰巳ヨシヒロ

辰巳ヨシヒロさんは漫画家で、「劇画」という言葉を生み出しました。

戦後の漫画は手塚治虫さんをすたーとにしてトキワ荘のメンバーを中心に語られますが、もうひとつの潮流として「劇画工房」がありました。

「劇画工房」は、漫画は子どものためのものという概念をくつがえし、「劇画」という大人も親しめる描き方をつくっていったのです。

メンバーは辰巳ヨシヒロさん、佐藤まさあきさん、桜井昌一さん、さいとう・たかをさん、松本正彦さんらです。

目にしたことのある名前は、「ゴルゴ13」のさいとう・たかをさんぐらいでしょう。

「劇画工房」があったからこそ、漫画が老若男女に読まれるようになったのです。

佐藤まさあきさんの代表作「野望」がKindle Unlimitedで無料で読めるので、「どすこい出版流通」と一緒に読んでみてください。

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「マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?」

マンガ雑誌はまだまだ発売されていますが、部数の落ち込みは怖いものがあります。

2020年1~3月の、発行部数のデータです。

「週刊少年ジャンプ」1,572,833部
「週刊少年マガジン」 627,533部
「週刊少年サンデー」 232,500部

最高600万部のジャンプが150万部、400万部のマガジンが60万部です。サンデーは休刊の危機にある部数です。雑誌単体では間違いなく赤字です。

この本では、マンガ雑誌の成り立ちにも触れながら、アプリでのマネタイズはどうなっているのかということや、コミュニティ運営が重要になることを書いています。

これまで紹介してきた本の中で、未来について語っている唯一の本です。

「マンガ産業の行く末は、マンガ界、出版界に留まらず、日本のコンテンツ産業全域の未来に関わる重大な問題」

ということが分かります。

就活対策③ ベストセラー・編集者の歴史

「編集者という病い」見城徹

幻冬舎の創業者・見城徹さんの著書です。

見城さんは1950年(昭和25)生まれです。

慶応を卒業してから廣済堂出版に入社し、「公文式算数の秘密」を編集して40万部の大ベストセラーにしました。

その後、角川書店に入社して「月刊カドカワ」の部数を30倍以上に伸ばし、40代前半で取締役になりました。

幻冬舎を立ち上げてベストセラーと連発しているのは誰もが知るところです。

見城徹さんの半生を通して、出版の歴史、そして編集者について学ぶことができます。

「ベストセラー伝説」

本の紹介文を読めば、買う理由が一目瞭然です。

編集、営業それぞれの志望者必須です。

ウルトラCの企画や奥の手の販売戦略の数々

・「科学」と「学習」はなぜ校内で販売されていたのか。
・「平凡パンチ」で素人を脱がせていたのはどんな人か。
・世間を震撼させた「ノストラダムスの大予言」の著者は今何を考えているのか……。

60年代から70年代にかけて、青少年を熱中させた雑誌や書籍には、
前代未聞の企画力や一発逆転の販売アイディアに溢れていた。
その舞台裏を当時の関係者たちから丹念に聞き出した秘話満載の
ノンフィクション。

出版業界の人間になる人にとって、知っていなくては恥ずかしいことばかり書かれています。

「小学館の学年誌と児童書」

著者の野上暁さんは、小学館で「小学一年生」の編集長を勤めました。

出版業界の歴史の中で、小学館の学年誌は外せない題材です。

いまは「小学二年生」~「小学六年生」が休刊となってしまいましたが、当時は隆盛を誇りました。

なぜ学年誌というものが社会的に求められ、いまは必要とされなくなってしまったのか。

知っておいてください。

歴史を学ぶ意味

9冊を紹介しました。

出版業界の歴史を学ぶことの効用は、就活以外にもあります。

それは、歴史を学ぶことによって出版業界が好きになる、ということです。

出版社の採用は難関です。新卒では受からず、中途で入る人もたくさんいます。

諦めなければ、業界に身を置くことは必ずできます。諦めないために、業界を好きになりましょう。好きであれば、就活を続けられます。

出版社への就職を目指す人を、応援しています!

無料で履歴書・エントリーシート・職務経歴書の添削をやっています。

就活相談全般も承っています。

メールかTwitterのDMまで遠慮なく相談ください。待ってます!

メール uehararyuichi2020@gmail.com

Twitter  @uehara_hon

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  1. Joel より:

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