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週刊ポストは韓国特集で部数激減か廃刊?週刊朝日の橋下知事特集を参考に検証

小学館が発行する週刊誌「週刊ポスト」9/13号(発売は9/2)が炎上しています。

雑誌の表紙に書かれているタイトルは過激です。

『「嫌韓」ではなく「断韓」だ 厄介な隣人にサヨウナラ 韓国なんて要らない』

連載している作家・深沢潮さんも、降板を表明しました。

小学館も発売日にすぐに謝罪をしました。

この騒動により当該号は売れていますが、今後の週刊ポストの売れ行きはどうなるのでしょうか。

出版専門家の上原龍一が追っていきます。





週刊ポストは韓国特集で部数激減か?

大手書店の売上冊数を、全号と比較しました。

通常、雑誌(特に週刊誌)は発売初日が最も売れます。

2日目の売上は初日に半分以下になります。

当該号の2日目の売上冊数は、初日の2倍近くとなっています。

発売から4日間の合計でも、前号比で2倍以上の売上です。

週刊ポストは大手書店では、売れた冊数と同じぐらい売れ残り、返品となっています。

今回の韓国特集号は、全国の書店で軒並み売り切れとなるでしょう。

特集の中身に嫌悪感を抱く人は多いですが、賛同している人もいます。

内田樹さんは小学館から本を3冊出していますが、もう小学館とは仕事をしないと、Twitterで宣言しました。

倉田真由美さんもテレビに出演し、

「政治家同志が丁々発止するのはいいと思うんですけど、メディアが差別を助長するような雰囲気を作りだすのは危険なことですし、猛省してほしい。私は紙媒体出身だからすごく残念です」

とコメントしています。

半面、小林よしのりさんはこう書いています。

『わしの見解を言うと、「怒りを抑えられない韓国人の病理」という記事は、ネトウヨっぽい、差別に繋がる記事だと思うが、「断韓」という政治的意見は「言論・表現の自由」の範囲内だろう』

様々な意見の人がいて、週刊ポストを読んでからでないと批評もできないので、今回の号が売れるのでしょう。

週刊ポストの今後は部数激減か廃刊? 週刊朝日の橋下知事特集を参考に検証

週刊ポストの現在の発行部数(印刷証明付き)は346,591万部です。

10年前は455,417部でしたので、実に10万部以上が減っています。

これは週刊ポストに限った話ではなく、雑誌のほとんどが同じ状況です。

週刊ポストは総合週刊誌の中で4番手に位置付けています。

この部数は、日本雑誌協会が発表している、印刷証明付きの発行部数です。

印刷している部数なので、実際に売れている部数ではありません。

 

週刊ポストは10年前と比較して76.1%の部数を発行していますが、週刊新潮は57.7%、週刊朝日は43.3%と、ひどい落ち込みなのです。

では今回の韓国特集によって、週刊ポストの印刷部数に、どのような影響があるでしょう。

雑誌の記事で大きな問題がおこったのは、週刊朝日の橋下徹大阪府知事の出自に対する記事です。

2012年10月26日号でした。

橋下さんを題材とした連載記事を佐野眞一さんが連載することになり、その一回目です。

橋下さんの父が大阪府八尾市の被差別部落出身であるという情報を掲載し、人格まで否定した記事だったのです。

雑誌の表紙にはこう書かれていました。

「緊急連載スタート! ハシシタ 救世主か衆愚の王か 橋下徹のDNAをさかのぼり本性をあぶり出す」

この記事により出版元の朝日新聞出版は社長が引責辞任し、橋下さんに公開謝罪をしました。

もちろん、編集長も更迭されました。

金額は公表されていませんが、和解金も支払っています。

この事件では朝日新聞出版の本社がある朝日新聞社のビル前に、連日、街宣車が並びました。

そして朝日新聞の不買運動も起こったのです。

では、週刊朝日の発行部数にどのような変化があったのか表にしてみました。

2012年10月~12月の部数は、前年同期間と比べて1割落ちていますが、その他の期間の下落率をみても、大きな差はありません。

週刊朝日の事件は、雑誌の購読者数にとっては大きな影響が、数字上はありませんでした。

週刊ポストの部数も今後、激減することはないのかもしれません。