トキワ荘の漫画家

藤子不二雄「UTOPIA 最後の世界大戦」初版の価格と点数、発行部数について

「UTOPIA 最後の世界大戦」は1953年8月10日(昭和28)に発売された、藤子不二雄の初の単行本です。

藤子不二雄のふたりが二十歳の時に発売されました。

ふたりは当時からコンビを組んでいましたが、藤子不二雄という名前は名乗っていませんでした。

「UTOPIA 最後の世界大戦」は、足塚不二雄という名前で出版されました。

神様である手塚治虫さんの「足元にも及びたい」、という意味です。

出版社は鶴書房というところですが、今はもう存在しません。

当時は無名の二人でしたが、手塚治虫さんの紹介によって出版が決まりました。

プレミアがつき、日本で最も高額な漫画と言われていますが、初版のプレミア価格と、残存する点数は何点なのか、そして発行部数についても、トキワ荘研究家の上原龍一が書いていきます。





藤子不二雄「UTOPIA 最後世界大戦」初版価格と点数

テレビ東京系の「開運!なんでも鑑定団」に漫画家の松本零士さんが出演し、ご自身でお持ちの「UTOPIA 最後の世界大戦」を出品しました。

鑑定された価格は280万円でした。

松本零士さんが持っている本は、初版本ではありません。

昭和29年6月5日発行の、再版本です。

初版の美本なら500万円は値が付くと、古書店「まんだらけ」の方が言っています。

ただ、初版本がどれだけ残っているかというと、4部のみ、という話もあります。

再版のものも含めると、20部ほどあるようです。

藤子不二雄Aさんこと安孫子素雄さんご自身も、引っ越しの際に紛失してしまったようで、持っていません。

藤子・F・不二雄さんこと藤本弘は持っているようですが、ページのところどころに「×」がついてあるのです。

その理由は、当時の漫画や漫画家が置かれている事情によります。

二人が描いた原稿は白黒でしたが、鶴書房が勝手に彩色したのです。

また、漫画の最後に、二人が描いていないコマが勝手に付け加えられていたのです。

これも鶴書房側が勝手にやったことです。

藤本弘さんは他人の手が入っているコマに「×」を付けたのです。

藤子不二雄「UTOPIA 最後の世界大戦」の発行部数が不明な理由

現在の出版業界の常識では、発行部数によって印税の額が決まります。

「初版部数 × 本の価格 × 印税率10%」です。

当時は違いました。

原稿料という形で、藤子不二雄の二人に支払われたのです。

つまり、何部印刷したのか、何部増刷したのかが、漫画家側には分からないのです。

増刷しても、追加で原稿料はもらえないのです。

藤子不二雄Aさんの名著「まんが道」によると、「UTOPIA 最後の世界大戦」の原稿料は30,000円でした。

1953年(昭和28)当時は大卒の初任給が8,000円ぐらいの時代です。

30,000円は現在の価値でいうと、100万円近い額だったのです。

ちなみに、億万長者という言葉は戦後すぐにはなく、百万長者と言われていました。

1947年(昭和22)に出版された手塚治虫さんの「新宝島」は、当時の子供たちに絶大な人気を誇ったといいます。

「新宝島」を読んだことで、藤子不二雄の二人は本格的に漫画家を目指しましたし、石ノ森章太郎さんや赤塚不二夫さんも同様です。

「新宝島」の初版も現在、「UTOPIA 最後の世界大戦」と同じく初版の美本であれば500万円の値が付きます。

では発行部数がどれぐらいだったかというと、こちらも不明です。

4万部や80万部という研究家もいますが、手塚治虫さんは40万部と言っています。

ちなみに、手塚治虫さんの原稿料は3,000円でした。

ご本人が40万部と言っていますが、3,000円以上の原稿料はもらえていないのです。

まとめ

・「UTOPIA 最後の世界大戦」の初版美本は500万円

・残存点数は初版は4冊、再版を含めても20冊程度と言われている

・発行部数は不明。当時は初回の原稿料しかもらえず、出版社も既にない





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